【GAS】手動チェックからの解放!スプレッドシート×AIでWeb3プロジェクトを自動監視する仕組みを作った


はじめに

Web3プロジェクトに複数投資・注目していると、必ずぶつかるのが「結局このプロジェクト、まだ生きてるの?」という問題です。プロジェクトの数が増えるほど、公式サイトやSNSを一つずつ巡って稼働状況を確認する作業は重荷になっていきます。

今回は、Googleスプレッドシートにまとめた Web3プロジェクトの情報をキーに、GAS(Google Apps Script)で自動的に状況を調査する仕組みを作りました。本記事ではその仕組みと、得られたメリットをご紹介します。

以降に文字で紹介しますが、分かりやすいpptもどうぞ! スプレッドシート×AIでWeb3プロジェクトを自動監視する仕組み(PPTX)

抱えていた課題

複数のWeb3プロジェクトをウォッチしていると、以下のような課題に直面します。

  • 手動チェックの手間: プロジェクトごとに公式サイトやSNSを開いて、稼働しているか・運営が止まっていないかを目視確認する必要がある。
  • 詐欺・廃止プロジェクトの見逃しリスク: 気づかないうちにプロジェクトが運営停止やラグプル(rug pull)していて、対応が後手に回ってしまう。
  • 一覧管理のしづらさ: プロジェクト数が増えると、どれがどういう状態かをまとめて把握するのが難しくなる。

作った仕組みの概要

そこで、Googleスプレッドシートを「プロジェクト台帳」として使い、GASからプロジェクトの状況を自動調査する仕組みを構築しました。

1. スプレッドシートをプロジェクト台帳にする

調査対象のWeb3プロジェクト名やシンボル、公式サイトURLなどをスプレッドシートに一覧化します。ここがすべての調査の「キー」になります。

2. GASが各プロジェクトの情報を取得

スプレッドシートの各行を読み取り、GASから以下の方法で情報を収集します。

  • 外部API(CoinGecko、DeFiLlama等)の呼び出し: UrlFetchApp を使い、仮想通貨系の公開APIから価格・取引量・TVL(預かり資産)などのデータを取得。
  • AI(Surf AI)への調査依頼: 一次チェックで「赤信号」が出たプロジェクトだけ、API経由でAIに最新情報を調査させ、ラグプルや運営停止の兆候を要約・判定させる。

数値データだけでは判断が難しい「本当に危険なのか、それとも一時的な変動なのか」というニュアンスは、AIに調査・判定を任せるのがポイントです。すべてのプロジェクトをAIに調査させるとコストも時間もかかるため、まず安価な数値チェックで絞り込み、怪しいものだけをAIに渡す二段構えにしているのがこの仕組みのコツです。

3. 結果をスプレッドシートに自動反映

取得・判定した結果はそのままスプレッドシートに書き込まれ、一覧で状況を確認できる状態に更新されます。さらに、赤信号(要注意)のプロジェクトが見つかった場合は、その内容をまとめてメールで自動通知するようにしています。スプレッドシートを開きに行かなくても、危険なプロジェクトが出たことにすぐ気づける仕組みです。

チェックの仕組み紹介

「赤信号」をどう判定しているのか、もう少し詳しく紹介します。チェックは大きく**一次チェック(数値による自動判定)二次チェック(Surf AIによる詳細調査)**の2段階に分かれています。

一次チェック:数値の急変を検知

まず、API(CoinGecko・DeFiLlama)やWebサイトへの接続結果から、以下のような急激な変化がないかを機械的にチェックします。

  • 取引量が95%以上減少(CoinGecko)
  • 価格が90%以上下落(CoinGecko)
  • TVL(預かり資産)が80%以上減少(DeFiLlama)
  • 公式サイトに接続できない(死活監視)

これらに当てはまると「High(赤信号)」、当てはまらなければ「LOW(問題なし)」として、まずは数値だけで一次判定します。

二次チェック:Surf AIで赤信号の真偽を深掘り

一次チェックで「High」と判定されたプロジェクトだけ、Surf AI(AI検索・市場分析が可能なAIサービス)に詳細調査を依頼します。具体的には、以下のポイントを重点的に確認させています。

  • TGE・大型イベント(メインネット・取引所上場・エアドロップ)の有無
  • ラグプル・ハッキング・開発停止・詐欺などのネガティブ情報
  • 一次チェックで検知した異常(価格急落や接続不可など)の実際の事情

これにより、単なる一時的な値動きと、本当に危険な「運営停止・詐欺の兆候」を区別し、最終的な重要度(High/LOW)と、停止プロジェクトかどうかをスプレッドシートに反映します。

赤信号が出たらメールで即通知

二次チェックの結果、最終的に「High」と判定されたプロジェクトがあれば、プロジェクト名・概要・URLをまとめて自分のメールアドレスに自動送信します。日々のチェックはGAS側で完結し、自分がやることは「届いたメールを確認するだけ」という状態にできました。

得られたメリット

この仕組みを作ったことで、以下のメリットが得られました。

手動チェックの時間が大幅に削減

毎回プロジェクトを一つずつ見に行っていた作業が自動化され、チェックにかかる時間が大幅に減りました。

多数のプロジェクトを一覧で管理できる

スプレッドシート上に状況が集約されるため、Web3プロジェクトが増えてもまとめて状況を把握できるようになりました。

まとめ

Googleスプレッドシート×GAS×外部API×Surf AIという組み合わせは、定型的な調査作業を自動化するのに非常に強力です。すべてをAIに任せるのではなく、「まず数値で安く絞り込み、怪しいものだけAIに深掘りさせる」という二段構えにすることで、コストを抑えながら精度の高い監視ができました。さらに赤信号はメールで自動通知されるため、スプレッドシートを定期的に開きに行く必要もありません。

Web3プロジェクトの監視に限らず、「一覧データをキーにして、定期的に何かを調べて、異常があれば通知する」というパターンは様々な場面に応用できそうです。今後はチェック頻度の自動トリガー化なども検討していきたいと思います。